今、女性の間で密かに話題になっている女性用風俗、通称“ジョフウ”。その内情を描いた漫画『真・女性に風俗って必要ですか？』はXでも度々話題になり、4月期のテレ東ほかにてドラマ化！　気になるジョフウの世界が覗き見できる今回のドラマ「ジョフウ　～女性に××××って必要ですか？～」の制作の裏側に迫ります。主演は俳優でCLASSY.にもモデルとして登場している、山崎紘菜さん。原作の漫画家・ヤチナツさん、プロデューサー・正井彩夏さんの３人にお話を伺いました。こちらは前編です。

――紘菜さんが演じるアカリは、どんな主人公ですか？また、今回の作品の見どころを教えてください。

紘菜：私が演じる主人公のアカリは、ジョフウのことをまるで知らないまま、ひょんなことから裏方として働くことになります。女性客の悩みにセラピストたちと寄り添い、奮闘し、新たな世界を学んでいくお仕事ドラマです。私自身、女性用風俗という単語を聞いたこともなかったので、今回のお話をいただいたときに「これはなんだ…？」と想像すらできなかったのが正直なところ。だから主人公のアカリと立場は同じでした(笑)。

ヤチナツ：私自身もこの漫画を描く前まで、ジョフウが流行っているという話題は頭の片隅にあった程度。ジョフウ題材ありきでくらげバンチの編集部から話が振られ描くことになった作品なので、そこから取材を始めています。性の悩みに思い詰めてジョフウを使う人も中にはいるかもしれないけれど、ライトに性と向き合う人が多いのが現代なのかなという印象でした。なので原作の漫画も今回のドラマもコミカル。楽しく見ていただけるんじゃないかと思います。

正井：私も女性の間でジョフウが話題になっていると知ったのは数年前。題材として面白いと思って、ドラマ化に動き出しました。男性用風俗はたくさんあるのに、女性用風俗の話ってほとんど聞いたことがない。でも性のことってひとりでは何も生まれないし、悩みも解決できないですよね。推奨するわけではないけれども、ヤチナツ先生の原作漫画を読んで、今回のドラマも撮り終えて、ジョフウが性の選択肢のひとつとしてあってもいいのかなと感じています。

――「性の悩み」ってセンシティブなテーマですよね。実際に撮影してみての感想を教えてください。

紘菜：“性について真剣に考えたことがなかったな”ということがまず新しい気づきでした。性のことって話題にしづらいですよね。たとえ悩みがあったとしても友達はおろか、一番身近であるはずのパートナーにすら相談できない方も多いのかなと思うんです。そもそも性のことって、学校でたくさん授業があるわけでもないし、誰かに向き合い方を詳しく教えてもらえる機会もあまりないのに、いつのまにか“大人になったら知っていて当たり前”に変わっていることが多い。漠然とした不安や孤独を抱えた登場人物たちを見て「自分だけじゃなかったんだ」と安心してもらえたらなと思います。

正井：本当にそうですね。“選択肢のひとつとしてジョフウがあってもいいのではないか”というのはそこにもつながります。原作もそうですが、センシティブな内容だし、取材ありきのストーリーだからリアル。でもだからこそ暗く重く見えないようにコメディ要素を強く、さわやかに見られるようにしました。「こういう人もいるんだな」くらいの心構えでライトに見ていただけたら。主人公・アカリが働く様子が主なので、お仕事ドラマとして楽しんでいただけるはずです。

ヤチナツ：そうですね。漫画やドラマってキャラクターの成長を見届けるものだから、ジョフウというテーマは強いですけど、アカリというひとりの人間の変化を楽しんでほしいです。

正井：今の時代、自分が何かを体験する前情報が入ってきて、体験した気になって終わることがすごく多いですよね。でもアカリはいきなり知らない世界に飛び込んで、予想だにしなかったことがたくさん待っていて、それが意外と楽しくて…という生活を送ります。“突然知らない世界に行ってみるのもいいかも”と、前向きなメッセージも視聴者に届けたいと思っています。

〈後編へ続く〉