日本テレビのアナウンサーとして多忙を極めていた生活から一転。家庭に入り、〝支える〟立場へと回った笹崎里菜さん。それから1年。紆余曲折を経て、少しずつ変化してきた環境と心情の変化、自分たちなりの結婚のあり方を語ってくれました。『CLASSY.』2025年1月28日発売の3月号より、インタビュー前編をお届けします。

私の姉には子どもが３人います。私が結婚生活を冷静に捉えられているのは、子育てや家事に奮闘する姉の姿を間近で見てきたからかもしれません。私はなんでもやってあげたいタイプだけど、姉からはやりすぎないほうがいいよ、と釘を刺されることも（笑）。結婚生活は理想と現実のすり合わせ。理想の形を追い求めても、現実はどんどん変わっていきます。選択肢がマスに置かれていて、どっちを選びますか、と日々突きつけられる感覚は、まるで人生ゲームみたいだな、と思います。結婚が決まったときの私は、会社を辞めよう、これからは支える側に回ろう、という心境。

家で過ごすのも家事をするのも好きだし、仕事をやりきった！と思えるタイミングだったので迷いはありませんでした。いちばん好きな家事は料理。私は性格的にすごく考えちゃうタイプで常に何かを考え続けているから、家にいても頭が疲れがち。でも料理って無心になれるんですよね。私にとっては大事なリフレッシュする時間でもあるのです。

しっかり休んだのは数カ月。ママになった先輩から、パートタイムでもいいから仕事は続けたほうがいいという話を伺っていたので、雑誌や好きなラグビー関係の仕事などを中心に今までとは違うジャンルに目を向け、夏には仕事を少しずつ再開しました。新しいお仕事をさせていただく中で、やっぱり外とのつながりも大事だな、ここまで積み上げてきたキャリアがゼロになるのはもったいないかも…と働く楽しさを再認識。
その矢先、家族にとって大きな出来事がありました。結婚していたら壁にぶち当たることがあるのは想定内。ふたりで支え合っていくという覚悟が揺らぐことはありませんでした。仕事で忙しかった夫と一緒に過ごす時間が増えたことでコミュニケーションがちゃんと取れるようになったのは思いがけないプラスの部分。また元の生活になったときに振り出しに戻るのは嫌だから、プライベートな時間の大切さや旅行の楽しさ、家事の大変さ…この期間での気づきやふたりで話し合ったことなどをこの先もずっと忘れないでね、ということはしっかり伝え続けています。

ひとつは体づくり。アナウンサーは当時感じていたよりも体力のいる仕事だったようで、最近は体力の衰えを実感。週に一回のピラティスはこれからも続けていきたいことのひとつですし、体にいい食事も心がけていきたい。

もうひとつが英語。時間に余裕のある今のうちに、とスマホのアプリを使って毎日触れるようにしています。ちなみにANAのスーパーフライヤーズカードを先日獲得。国内外問わず、旅はいいですよね。この先また忙しくなったとしても時間を調整して旅に出たい、それもお得にできれば最高ですよね（笑）。まだ結婚試運転の段階で、これからを真剣に語り合えたのは、もしかしたらすごく恵まれていたかもしれません。理想と現実のバランスをすり合わせながら一歩ずつ前へ進んでいく…それが私たちらしい結婚生活なのかな、と感じています。